映画に出てくるパリはついこの間歩いたところばかりで、フランスパンを素手で持つ人たちや公園やオープンテラスで本を読んだりおしゃべりをする人々の情景、石段を踏む感触、独特の空気感を少し思い出した。
ヨーロッパ、フランスは雨が降ることはあまり無く、私が行ったときも全て気持ちのよい快晴だった。でもそんなパリにも雨を降らせてしまうのがウディアレン。主人公が雨のパリが好きだという設定だが、本当にウディは雨が好きなんだなあと、わざわざ手間をかけ雨のパリを何度も撮ったことからもうかがえる。映画マンハッタンと同様に。
主人公はもう喋り方や立ち振る舞いがウディそのものに感じた。何処か憎めないしいつもの皮肉とテンポが気持ちいい。あんなにも偉人たちをちりばめておいて、ウディ本人は彼らとは会ってみたいとは思わないと発言しているのも面白い。そして地味に皮肉を込めて偉人たちに似せているもんだからまたクスクス笑ってしまった。マリオンコティヤールのうつくしさは圧巻だった。レアセドゥも後から調べたらアンニュイな表情まで色んな表情もっているみたいで気になる。
でもやっぱりラストは雨のパリ、お散歩で終わる。
この映画はちょっとお散歩してきた。みたいなさらっと軽快な映画だった。これからそういう映画をお散歩映画と呼ぼう。
どこも行く先を決めないでただ歩いてみるのが好きだ。どこにだって行ける気がしてくる。そして帰るべき場所にも辿り着ける。私はこれからもいつもの道を散歩しつつ、新しいところを歩いて色んな道や人に出会って色んなお話がしたい。やりたいことをやっていればおのずと素敵な人たちに出会えて今とてもハッピーな様に、この先も行きたいところへ向かって歩いていればいろんな道にも人にも情景にも素敵な瞬間にも出会えるんじゃないかと思う。いつも私は言葉がへたくそで、言葉が大好きな分言葉が見つからない恐怖(笑)もたまにあるけれど、お散歩してるときは言わずもがななところがあるからそこまで気張らなくてもいいのかなーと思える。結局のところ総括して雰囲気的な部分が重要だったりする訳です。私も私に出会うひとのように魅力的なひとでありたい。
だから月が綺麗な今夜も大好きな街をだれかと横に並んでお散歩がしたいと思いました。
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